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命は、願いは、繋がってゆく
[ wild flower ]

●wild flower L'Arc~en~Ciel 歌詞情報 - goo 音楽


なにもない
全てが奪われた地平
枯れ果てた大地に
たった一輪、残された花

焼きつける太陽と、凍える闇

そよぐ風だけが懐かしく まるであの頃みたいに
咲き乱れる花々を揺らしていた あの頃と同じように優しい

だけど今日も たった一輪きり
それでも明日を夢見て

そして明日も たった一輪きり
それでも未来を夢見ながら

最後の一輪も ついには朽ち果てる




何十年、何百年…
雨が降り、風が吹き、大地が清浄を取り戻すころ

ふるえるように芽吹いた一つの命

何にも無い地表に 花開いた

今日も たった一輪きりで
それでも明日を夢見て

明日も たった一輪きりで
それでも未来を夢見ながら

いつしか花々は 地表を覆うだろう

それはぼくらの希望の一輪
最初の一輪なのだから



* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

これが、私が見えた景色です。
聴く人それぞれに違う窓が用意されているようなhydeの歌詞。
みなさんは【wild flower】を聴いて、どんな景色が広がったでしょう。

「一輪の花」が、「僕」であったり、「君」であったりするところで混乱。
hyde詞は、いつもは流されたり飛ばされたり躓いたり…かなり動きがあるのに、今回は動かない。
その視点が全く動かない。 定点カメラのように。
動いてるのは時間だけ。
…と、すれば、同じ場所に二つ存在する「たった一輪」は、違う時代のことなんじゃないかと。
すべてが終わった後の「最後の一輪」と、これから始まるであろう「最初の一輪」なのでは?と思った瞬間、ぶわーっとイメージが流れ込んできた。
一輪だけで咲き続ける孤独は同じ。
けれど君には未来があるんだよ…未来へ繋がっていくんだよって、たくさんの消えていった命が、見守ってるんじゃないだろうか。
私も、その命の一粒になるのだろうか。

大地を汚した張本人が、未来を夢見るというのも厚かましい話だけれど…
そんなことはお構いなく、時は流れ、新しい時代はきて、植物は芽吹き、花は咲き乱れる。
そこに人はいないかもしれないけれど、きっとその大地は、強く、美しいのだろう。


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